『カスタマーズレビュー』
表紙の絵柄は[ちょっと前の新書館作家ふう]に見えて、そういうのが好みじゃない私なのですが、帯の文句に引かれて購入しました。
本文の柄は、表紙と違って[祥伝社ふう]でした。 小野塚カホリさんにどことなく共通する雰囲気です。
表題作はごく短い小品ですが構成が見事。 ふたりの人物の遣り取りを、一方の視点からのみ描いたもので、主観の人物の姿かたちはわかりません。
もう一方の人物も、後姿だったり横顔だったり。 主に相手のセリフのみで進行してゆくのに、主観の人物の心情が見て取れるようです。 ほんとに見事。
当コミックスは短編集になっており、全般的にBLテイストです。
といってもBLコミックスによくある[なぜか男ばかりしか居なく、なぜか皆当たり前にゲイ]
というような不自然さがありません。
男性への恋ごろろに戸惑いを感じる男の子、恋への戸惑いにシンパシーを感じる女性の友人、
同性から想われて戸惑う男の子。 そういった登場人物に、読者も共感するのではないでしょうか。
世間一般の恋愛感との微妙なズレに後ろめたさを感じてしまう登場人物たちの、瑞々しい感性を
読み味わって欲しいと思います。
全般的に好感を感じましたが、もともと中編 長編が好きなので、星4つにしました。